美 術 の 国 徳 島 II
-谷口董美、山下菊二兄弟 故郷のイメージを描く
2009年9月5日[土]-10月12日[月・祝]
徳島ゆかりの作家をご紹介する連続企画「美術の国徳島」では、第2回の企画として谷口董美(たにぐち くんび)、山下菊二(やました きくじ)の兄弟をご紹介します。ふたりが生まれたのは徳島県井川町(現、三好市)。谷口は結婚して姓が変わりましたが旧姓は山下、山下の10歳年上の兄です。
地元徳島で、阿波木偶人形や阿波踊りなどを題材に、郷土色豊かな木版画を作り続けた谷口、一方、若くして東京に出て、シュルレアリスムの手法と日本の土俗的なイメージを用いて、戦争や差別など社会的な問題を告発する作品を制作した山下。生き方も作風もあまりに異質なふたりですが、ふたりはお互いに画家として信頼し合い、なにより画家としての山下は、この兄がいなくては存在しませんでした。
今年は谷口が生まれて100年、山下が生まれて90年、節目の年にふたりの画家の画業や、ふたりの人生が織りなしたドラマの数々をご紹介します。
【右図版】 谷口董美 〈安宅・阿波木偶〉 1950年
【左図版】 山下菊二 〈父はは〉 1972年