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特別展
「未来に伝えたい - 学芸員おすすめアート
 2008年9月13日[土]-10月13日[月・祝]


コレクションの楽しみ方
  県立近代美術館では、20世紀を中心とした時代の絵画や彫刻、版画などを収蔵しています。これらの所蔵作品(コレクション)にはまだまだ奥深い魅力があります。
  まとめて展示する機会の少ない作品や、ふだんは聞けない美術品にまつわるエピソードなど、美術館の8名の学芸員が、ちがった切り口でおすすめの作品を選び、それぞれのコーナーを設けて、その楽しみ方を御紹介します。このコレクションを育て、徳島の未来に伝えていきたい、という学芸員の思いや素顔が垣間見える展覧会です。
  それでは8つの扉を順番に開けてみましょう。
   *展示の順路に沿って、それぞれ担当する学芸員が御紹介します。



 1 彫刻100年

【エミール=アントワーヌ・ブールデル〈アポロンの頭 台座付き〉】
   当館のコレクションのテーマ「20世紀の人間像」を、彫刻で見てみましょう。このコーナーで紹介するのは、ブールデル、荻原守衛、アバカノヴィッチ、奈良美智の4人の作家による、20世紀の始めと終わりに作られた作品4点です。
   20世紀の始め、彫刻の分野では、近代彫刻の巨匠ロダンがその名声を確立し、また、ロダンの後を担う世代が現れてきます。荻原守衛は日本にロダンの造形をもたらし、ブールデルはロダン以後を代表する彫刻家のひとりです。ともに、人間の生命をいかに表現するかを問いました。
   それから約100年、ポーランド出身のアバカノヴィッチ(1930~)は、盾のような姿の人間群像を作り、奈良美智(1959~)は、何かに繰られるように彷徨う子どもの群像を作りました。これらは人間の存在をテーマとしています。
   表現から存在へ。4つの彫刻が、人間像20世紀100年の歳月を、端的に語ります。
(担当:安達一樹)
  

【図版】 エミール=アントワーヌ・ブールデル 〈アポロンの頭 台座付き〉 1900-09年 

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