おもろいという意識
先に「おもろい」と言う言葉は、使う側の意識の問題だと述べました。出品作家の中でも、元永定正は自ら「おもろい」ということを意識している作家です。しかし、それを「おもろい」と感じるかどうかは観客に委ねられているものです。むしろ、この展覧会では出品作品を「おもろい」という観点で見てみることを促すものです。
たとえば、福島敬恭の2点の<SOUL>で、絵から立体が抜け出てきたみたいなことは「おもろい」のではないかというように。
【上図版】 中井克巳 〈58-377 ものはひらく〉 1986年
【下左図版】 福島敬恭 〈SOUL〉 1987年
【下右図版】 福島敬恭 〈SOUL〉 1987年
(専門学芸員 吉川 神津夫)
(徳島県立近代美術館ニュース No.70 掲載)