徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
熱血漢
1955年
油彩 キャンバス
65.0×50.5
ジャン・デュビュッフェ (1901-85)
生地:フランス
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デュビュッフェ熱血漢
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徳島新聞連載1990-91 毎日新聞 四国のびじゅつ館

ジャン・デュビュッフェ 「熱血漢」

竹内利夫

 「うちの子でも描けそう」と見抜いたあなたは偉い。
 原始美術や児童の表現に本気で惹かれていた彼は、型にはまった美術には到底おさまり切らないような、人間本来のエネルギーに憧れていた。忌まわしい二度目の世界大戦直後の活動である。どこかユーモラスなこの牛男?(必ずこの感想がでる)は、塗ったり削ったり、拭き取ったり、画家の熱気の証といってもいい。画布にむかい彼が何をしたのか見て欲しい。原題は「たぎる血」。
徳島県立近代美術館所蔵作品選1995 コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ
1995年7月22日
徳島県立近代美術館 竹内利夫