徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
空気の建築;ANT 119
1961年
顔料、合成樹脂 紙、キャンバス
262.0×200.0
イヴ・クライン (1928-62)
生地:フランス
データベースから
クライン空気の建築;ANT 119
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美術館ニュース 徳島新聞連載1990-91 毎日新聞 四国のびじゅつ館

イヴ・クライン 「空気の建築;ANT 119」

竹内利夫

 青一色の世界には、突飛を通り越して神秘的な雰囲気すら漂っている。都市全体を空気の屋根で覆い、火や水の噴水で環境を調節するという、とてつもない彼の構想、それが空気の建築だ。ANTとは仏語のアントロポメトリ(人体測定)。裸の女性に絵具を塗りつけたり、後ろからスプレーを掛けて影を彩り、肉体を離れた虚像を得る方法なのである。自由に人体が浮遊するクラインの理想郷が、ここに示されている。
徳島県立近代美術館所蔵作品選1995 コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ
1995年7月22日
徳島県立近代美術館 竹内利夫