

来場者へのアンケートによると(前回の回収率約22%)、その居住地は徳島市を中心に県下全域に拡がり、香川、愛媛、高知、兵庫、大阪など県外からの来場もあります。そして「大変よかった」と「よかった」を合わせて8割以上の方から好評価をいただきました。
ただ、その中には次のようなご意見、ご提言もあります。
「出品内容にまとまりがない、テーマがない、質にばらつきがある。」
確かにその通りです。しかし、これは展示できるものならなんでも展示部門、上演できるものならなんでもパフォーマンス部門、年齢も実績も不問、事前審査もなく、初心者からプロまで同じ条件で誰でも参加できる、という全国でもまれに見る芸術祭だからこその結果です。むしろそこにおもしろさや可能性を感じていただければ、と考えています。
「もっと若いアーティストや学生の参加をうながしてはどうか。」
もちろん、より一層広報に努めていく必要があると考えています。しかし同時に、参加者が若手にかたよったり、勧誘や、組織的な動員につながるおそれがあることは避けたいと考えています。あくまでも個人の意志で自由に参加できることが第一です。


また、よくある誤解としては、「チャレンジ」することが「若者向け」である、という思いこみがあります。あるいは「誰でも参加できる」、「初心者でも参加できる」ということが、「初心者向け」である、と解釈されることもよくあります。しかし「チャレンジ」は「若者」や「初心者」の特権ではありません。若者には若者の、シニアにはシニアの、初心者には初心者の、アマチュアにはアマチュアの、プロにはプロの、それぞれのチャレンジがあります。そしてチャレンジに卒業はないのです。
こんな感想を寄せてくれた方がいました。
「県内でいろいろな事をしているのを再発見できました。徳島県もすてたものではないです!」
こんな思いを発火点に、また新たなチャレンジャーが生まれてくることを願っています。
(上席学芸員 友井伸一)
※この記事は平成25年11月時点の情報です

