徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
赤い枕で眠る女
1932年
油彩 キャンバス
38.0×46.0
パブロ・ピカソ (1881-1973)
生地:スペイン
データベースから
ピカソ赤い枕で眠る女
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徳島新聞連載1990-91 ピカソの版画

パブロ・ピカソ 「赤い枕で眠る女」

竹内利夫

 すやすやねてる。すやすや。そのことだけ、描きたかったのかとさえ思えてくる。モデルは恐らくマリー=テレーズ・ワルテル。恋多きピカソの、うんと年下の恋人だった。
 健康的で明るいマリーの安らかな眠りを、彼はたくさん描いた。その〈眠る女〉の連作につらなる一品。
 すいすい伸びる線が思いのままに行き交い、画面を支配している。夢の力に注目したシュルレアリスムの運動に関与していた頃の作品である。
徳島県立近代美術館所蔵作品選1995 コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ
1995年7月22日
徳島県立近代美術館 竹内利夫