佐原 理

Osamu Sahara

徳島大学大学院 准教授


  


審査を担当させていただいた、徳島大学の佐原です。
皆さんの作品を時間をかけて廻って見させていただきました。
本当に面白い作品がたくさんあって、考えさせらるものや、
見ていて本当に「わー!」と驚くような、楽しい物までたくさんありました。
作品を出してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

今受賞されたものは、どうして受賞されたのかという講評があったと思います。
僕の方からは、ちょっとそこからは外れてしまったけれども、
すごく面白かった、すごく良かったという作品を少しご紹介したいと思います。

まず、もりちえさんの絵本とフェルトの作品です。
非常に十人十色といって、作品を見ているといろんな色のフェルトがあって
あなたが十番目の色ですよ、というような表現がしてあって、見る人を引き込むような
仕掛けがしてあったりとか、絵本の中身もですね、一つ一つ見ていくと、
問いかけがすごく上手くしてあって、自分たちがどういうふうに
色とか物とかを疑問に思いながら、考えていくかというようなことが、
すごく上手く表現されていて、非常に心を打つ、大変良い作品だったというふうに思います。

あとは、やっぴぃさんの絵手紙の作品ですかね。アイスクリームの
普段はゴミとして捨ててしまうような物が、絵手紙としてまた再生されていて、
そこに入っているメッセージも心をホッと明るくしてくれるようなメッセージあったりして、
非常にチャレンジ性が高い、良い作品だったなあと思います。

あとは、井上眞之輔くんのいーちスクールという立体作品ですかね。
小学校の四年生の子の作品なんですが、本当に事細かに一個一個標識を作ってあったりだとか、
自分が考えるこういう街があったらいいなというようなジオラマを非常に細かいところまで作りこんで
表現してありました。これもダイナミックで非常に大きな作品となっていたので、
こんなにも小学校の子がパワーがあるのか、ということで、非常に驚いた作品でした。

そういうことで、たくさん今回色んな作品があったんですが、一つ一つがすごく大きくて、
力をもらえるような作品がたくさんありました。その中でも受賞された方の作品というのは、何か人生の中で、
非常に重いものを持っていてそれが積み重なって出てくるような作品、
そこにやはり私たち審査員も心を打たれるというか、そこがすごくアート・芸術として、
社会に問いかけていたりだとか、自分たち見る人が、一個一個をみて考えさせらるような、そういったところがありました。

そこがやはりチャレンジという意味では今回すごく大きかったんじゃないかなあというふうに思います。
いろんな楽しい作品ありがとうございました。ぜひ来年も果敢にチャレンジしてもらって、
また「こんな作品あるんだ!」というような作品を持ってきていただければと思います。
特に現代楽器さん、 期待をしていたんですが、今回楽器がなかったので、ぜひまた来年は、
去年の続きを見せていただければと思いますので、期待をしております。ではでは。