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  • 2023.6.1

    次回の募集は2023年8月を予定しています。

    チャレンジとくしま芸術祭2023の日程は全て終了しました。次回2024の募集開始は2023年8月を予定しています!

  • 2023.5.01

    5月20日(土)~27日(土)
    チャレンジとくしま芸術祭2023 巡回展!

    阿南市文化会館夢ホールにて開催!
    展示部門:5月20日(土)~27日(土)
    パフォーマンス部門:5月27日(土)
    >夢ホール(外部サイト)

  • 2023.3.20

    審査員講評をアップしました。

    >審査員講評のページ

  • 2023.3.15

    【追加放映】チャレンジとくしま2023がテレビ放映されます!

    放送局:共同チャンネル「けーぶる12」

    • 展示都門
      3月20日 16:00~、27:30~
      3月21日 14:00~、26:00~
      3月29日 14:00~、26:00~
      3月30日  9:00~、24:00~

  • 2023.3.12

    受賞者発表会 展示部門出品作品の動画をアップしました。

    >近代美術館デジタルコンテンツのページ

  • 2023.3.9

    受賞者発表会 パフォーマンス部門の出演者に変更がございます。

    >受賞者発表会のページ

  • 2023.2.24

    受賞者発表会のチラシができました!

    展示・パフォーマンス両部門の受賞者紹介や、発表会の日程を掲載しています。
    >ダウンロードのページ

  • 2023.2.9

    受賞者&発表会のページができました。

    >受賞者ページはこちら

  • 2023.2.5

    チャレンジとくしま2023閉幕しました。

    沢山のご来場ありがとうございました。3月11日12日には受賞者発表会を開催致します。お楽しみに!

  • 2023.2.5

    チャレンジとくしま2023がテレビ放映されます!

    放送局:中央テレビ(吉野川市、小松島市のCAテレビ)

    • 展示都門
      2月14日、18日、27日
      ・12:00~・20:00~
    • パフォーマンス都門
      前編 2月25日 ・12:00~・20:00~
      後編 2月26日 ・12:00~・20:00~

  • 2023.1.24

    チャレンジとくしま2023、展示部門開幕しました!

    1月24日~2月5日まで展示部門開催です。パフォーマンス部門は1月29日。
    >展示部門のページ
    >パフォーマンス部門のページ

  • 2023.1.17

    パフォーマンス部門の出演者に変更があります。

    印刷物等と一部異なる場合がございます。最新情報はこのサイトでご確認いただけます。
    >パフォーマンス部門のページ

  • 2022.12.15

    チラシができました!

    チャレンジとくしま芸術祭2023のチラシができました。本サイトからダウンロード出来るほか、県内各所に設置しております。
    >ダウンロードのページ

  • 2022.12.01

    参加アーティスト決定!

    抽選の結果、展示・パフォーマンス両部門の参加者が決定しました!作品画像・メッセージなど随時更新していきます。
    >展示部門 >パフォーマンス部門

  • 2022.10.24

    今年度の募集を締め切りました。

    10月24日をもって、今年度の参加者募集を締め切りました。両部門の参加アーティストは後日特設サイトなどでお知らせいたします!

  • 2022.07.20

    特設ページ開設しました!

    今年もやります、チャレンジとくしま芸術祭!特設ページ開設しました。随時更新していきます。

ロゴ
チャレンジとくしま芸術祭 2023 審査員講評
チャレンジとくしま芸術祭 2023 審査員講評

2023年2月5日(日曜日)15:00より、フリースペースチャレンジとくしま芸術祭2023表彰式(非公開)を行いました。
各部門審査員の講評をごらんいただけます。

審査員

※下記の各審査員名をクリックまたはタップすると、講評をご覧いただけます。


展示部門

≫展示部門受賞者紹介

パフォーマンス部門

≫パフォーマンス部門受賞者紹介

島尾 竜介

徳島県立近代美術館 館長 ※展示部門審査員長

展示部門の講評を申し上げます。

melon(グランプリ)
金棒を持った鬼が大きく描かれた力強い表現に心を打たれた。描きたい思いや欲求をそのまま実現したチャレンジ精神に可能性を感じる。これからどのような作品が生まれてくるのか楽しみにしたい。

ミスミアヤカ(準グランプリ)
言葉の力が強く、作者の思いがストレートに伝わってきた。書体や文字組、紙の素材選びにも工夫が感じられる。言葉をどのように展示するのかについてさらに追及し、可能性を切り開いていくことを期待したい。

影(チャレンジ奨励賞)
自分の悩みについて綴った漫画の表現力が素晴らしく、最後まで読ませる力も強かった。人生の課題を、表現を通して社会にひらき、繋げていこうという思いが伝わってくる。これからもチャレンジを続けていってもらいたい。

西園寺リル(チャレンジ奨励賞)
壁一面を使った作品の構成にセンスを感じる。作者が出口や光を求める気持ちを抱えているように感じられ、また、母子の写真が心に残る。これからも、ジャンルにとらわれない表現の可能性を追求していくことを期待したい。

加代子&Kフレンズ(チャレンジ奨励賞)
これまでの積み重ねに裏付けられた高い技術力に圧倒された。見せ方にも工夫を凝らし、樹脂粘土によるボタニカルアートの世界に引き込むような空間づくりにチャレンジしている点を評価する。

上田優(MIP賞)
大きな画面の切り絵が6点展示され、迫力を感じる。完成度の高さだけではなく、圧倒的な仕事量に感服し、切り絵に打ち込む情熱が伝わってきた。

×

内藤 隆

鳴門教育大学教授

フリースペースチャレンジとくしま芸術祭展示部門にご応募をいただいた皆様、今年も力のこもった作品を展示してくださり、有難うございました。 まずは受賞者の皆様、おめでとうございます。

グランプリのmelonさん。作品は破格の大きさで、存在感バッチリでした。どんなふうに描いたのか思わず考えてしまいます。「対峙」というタイトルですが、描かれた巨大な鬼は誰に立ち向かっているのでしょうか。いつかあの展示室の壁面すべてを巨大な鬼がたくさん走り回る作品で埋めた景色を見ることができるのではないかと、楽しみになります。

準グランプリのミスミアヤカさんは、この地で自分を確認し、立ち上がっていこうとする心の歌が、審査員の心を掴みました。展示方法が非常にシンプルでしたが、より効果的な演出方法・見せ方など(鑑賞者への伝え方)は工夫する余地があり、言葉の力と合わせて今後も発展が楽しみです。

チャレンジ奨励賞のさん。主作品の5点のデジタルイラストに加え、その制作手順マニュアルの細かい記録が興味深かったです。個人的には、側に置かれた「私は絵師になれない」という漫画冊子が大変素晴らしかったです。興味深い内容に引き込まれ、感動をもってあっという間に読み終わりました。漫画制作には独特の才能が必要です。体験をもとにした話の流れも、コマ割りも構図も、フォント選びも文字の大きさも大変適切で、本当に才能を感じます。是非その才能を今後も伸ばしていただけたらと思います。

西園寺リルさん。キスをしようとする口元のアップでしょうか、連続して配置された印画紙風のプリントが印象的です。その間にある母子のポートレートや証明書など壁全体での構成から、難民として旅人であり続けるような疎外感が強調されていたと思います。

加代子&Kフレンズは、今年は照明スタンドを添え一工夫演出に踏み出しましたね。照明による効果の点から今後の展開を想像すると、これからも多様な方法が考えられて期待が増します。照明を効果的に使うことでも作品の部分に意図的に視線を集中させることもできるからです。

MIP賞の上田優さん。切り紙という手法は古典工芸や芸能と判断される向きもありますが、上田さんの作品を通して確認できる圧倒的な仕事量(大きさ・密度・数)に素晴らしさと尊敬を感じます。ARTという言葉は「芸術」ばかりでなく「技術」としても使われます。ARTは一般の人がやり尽くしたその更に上をいく仕事、というイメージと捉えられます。私から見て、上田さんの作品にはそれを明確に認めることができるのです。但し、現代の技術(今度はtechnology)に大きな敵が出てきています。レーザーカッターです。誰がやっても自動的に作品ができてしまう技術です。上田さんには手仕事を更に継続して磨いていただき、新しい技術を凌駕する工夫を磨き続けて「人間(あなた)でなければできない技」を構築してほしいと思います。

賞には入りませんでしたが、素晴らしく印象に残る作品もあります。
大塚康男さんの板絵は、桧材の木目とアゲハの幼虫のコントラストが美しくかわいい。子供の絵と思しき作品が混ざっているのも良かったです。
新谷進さんの作品は水彩の色が以前より鮮やかで効果的になってきたように感じます。今後も是非継続して制作を発展させていってください。

さて、ここで触れなかった方も工夫を込めた技術や表現(それこそチャレンジ!)に溢れています。皆様、また来年も更にステップアップして挑戦してください。お待ちしています。

×

佐原 理

徳島大学准教授

消っしーほりえ
毎年、さまざまな相違工夫が見られ継続して作品制作を行っており、時には変化球をもって多様なテーマに取り組まれており関心しています。

石田晴美
藤を素材に、単純な工芸作品ではなく他者へとメッセージを伝えようとする部分が素晴らしいと思います。

すだち丸の会
YouTubeでの曲もよく、お知らせの中身や歌詞、大きな原動力に魅せられました。

木の音/古の灯
独自の小さなギャラリーを作るような世界観が大変心地よく鑑賞させてもらいました。美術館の中に小さな美術館をつくるような発想が面白いですね。ストーリーとや大自然の中にあってサイトスペシフィックな表現になっていっても面白いなぁと思って鑑賞させていただきました。

益井正樹
身近な素材を使い、自らのアイディアを形にする、これまでアート表現活動をしたことがなかった方が、こうした舞台で自由に表現をしていることが、この展覧会の意義でもあると思います。ようこそこちらの世界へ。

トリマーパパン
トリマーとして動物と寄り添いながら、動物と人とが紡ぐ共に生きることの価値を、より多様な方法で表現していってもらえたらと思います。インスタの写真などでもストーリーのように繋がっていくと1つの時間軸のある作品になりますもんね。

四国大学写真部
大学の部活からのチャレンジ大歓迎です。デジタルだけではなく、フィルムでのスクラッチや現像上の多様な技法、冷蔵庫で低温現像など、いまや失われつつある技術もすごく面白いので、是非挑戦していってみてください。もちろん最先端のデジタル表現も大歓迎です。


芸術とは私が私であること、自らの存在を創造行為によってこの世に顕在化する活動なのだと、改めて認識させられました。誰に言われようとも否定できない、その魂の底にある表現への欲求、その常の炎を消さず是非継続して表現活動をしていってください。

so-zoクラブ
かぶの表現が秀逸で大変良かったです。多様な相違工夫をチームで成し遂げており今後の活躍にも大きな期待をしています。

ミスミアヤカ
1つ1つの言葉の力強さ、それを受け止めるだけの素材の選出など細かなところまで表現されており、表現者としての姿勢は評価されるべき完成度だと思います。人に伝えたい中身、その核となる部分、常にそれらと向き合いながら表現を深めていってもらえると嬉しく思います。社会的な正しさが全ての人に求められるなか、多様性は分断と表裏な部分もあります。何が正しい選択なのか判断が難しく、強い信念を持つことが避けられる中、自らを肯定し宣言するメッセージは他者に勇気を与えるのだとおもいます。

上田優
高い技術で大型の作品を制作しており、その点伝統的な技術ではあるもののこれまの研鑽とチャレンジは評価に値する。今後の展開や新たなチャレンジ に期待を込めて。

Satoru Ohkita
一期一会というコンセプトのもと、他者から線をもらうという発想とそれを表現として魅せる発想が興味深く、鑑賞するものの心にも線がおりなすリズムや動きが伝わります。そうした要素の連続性をうまく作品としている点で非常に好感が持てました。

加代子&Kフレンズ
思わず匂いを嗅いでしまったほど、精巧に造られており、その造形力は高く評価されます。それだけではなく表現をするという方向性も出てきており、植物を使ったインスタレーションのような形も見えてきている。そうしたチャレンジする動きに対して今後の展開が大きく期待されます。

大塚康男
形とリズムが大変すばらしい作品で見ていて心踊るようでした。素材の選出も斬新でより立体的な工夫につながっていったり、さらなるチャレンジを期待しています。

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丸中 登紀子

フランス語講師・翻訳通訳者

昨年に続き2年目の審査員。多様な作品の捉え方があり、作品を評価することは本当に難しいことだと実感しています。本年はどんな作品に出会えるだろうと鑑賞者として純粋に芸術を楽しみながら、放たれる情熱や思考、特に本芸術祭の審査基準となるチャレンジ精神に思いを馳せました。

芸術におけるチャレンジ精神とは何か。その点が審査時に幾度も議論されました。単純に新しいことにトライすることがチャレンジであるだけでなく、一つのことを継続して続けることもチャレンジ。後者の場合、革新的に、とまでいうと大げさかもしれませんが継続してきたことをいかに新しい形で表現するかがチャレンジ、等など。見方を変えるとさまざまなチャレンジの捉え方があります。

作品が放つエネルギーの伝わり方は鑑賞者によって変わりますが、チャレンジ精神をもって生み出されたものには目に見えないある一定の基準があり、多くの方に伝わる、つまり人の心を動かす力を持っていると思います。それはMelonさんの芸術に対する衝動的な意欲が生み出した作品であったり、それとは対照的にさんのように積み重ねられた思いが爆発して生み出された世界観・作品であったり。それぞれのベースとなる思いのルーツは異なりますが、そのエネルギーを強く感じました。

受賞作品を見ると、技術に集中して緻密に表現された作品や、自分の心情をいかに表現するかに重きをおいて作られた作品、仲間とともに芸術を楽しみながら世界観を伝えるグループ作品、新しい作風にトライし、自己の視点を伝える作品など、表現したいことや表現方法が皆さんそれぞれで、芸術の柔軟さや無限の可能性を感じます。

上田優さんの白黒の世界は印象的で、制作の工程を考えると気が遠くなります。その情熱に圧巻されました。西園寺リルさんの作品は女性と子供の写真と赤いヒールの靴の対比が興味深く、今後の作品がどう展開していくのか楽しみです。

受賞とはなりませんでしたが、新谷進さんの作品は、柔らかい色と線使いのなかに勢いや活気を感じる絵で素敵でした。作品の中の人たちの会話や楽しそうな笑い声が聞こえてくるような感覚になりました。

この芸術祭の特徴はチャレンジ精神。ここ数年の閉鎖的な状況が落ち着き、フランスと日本の交流も再び加速し始めました。新しいことを求めて多くの方がチャレンジ精神をもって挑んでいます。そんな時、何においても大切なのは人と人との繋がりだと思っています。芸術も作品作りは自分と向き合う時間だと思いますが、作品を通じて他者と向きあえることができると思います。どう他者に伝えるか、繋がれるのか、この芸術祭では自由な発想、自由な手法でもっと自己を表現していただきたいです。

前回もお伝えしましたが、繋がりという点において出展される皆さまのためにも、当芸術祭をより多くの方に周知していただけるよう告知などの事前活動や開催期間中の案内などが工夫を凝らして実施されればと願います。

より多くの方が芸術を楽しみ、またより多くの方に芸術の楽しみが届きますように。

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竹内 利夫

徳島県立近代美術館 上席学芸員

「足掛け4年の長丁場」で、協働制作を完成させたという出品者のコメントがありました。想像を越える世界の変動の中を歩み続けた思いが込められています。年ごとの巡り合わせがあるものかどうか、今回は昨年とまた違った会場の印象がありました。二つ感じたことがあって、一つは人がつながりの中で元気や勇気を発揮していくグループの力。いま一つはそれぞれの展示ストーリーの力です。昨年の講評にも書きましたが、作品づくりにとどまらず、かけがえのない自分たちだけの5メートルを存分につくりあげることも、このイベントの最大の魅力であり試練であり、アートの未来を拓く可能性だと思っています。

●展覧会で賞
会場入口を飾る、消っしーほりえ(以下敬称略で書きます)の底なしの創作と展示のアイデアはまさにこうしたプレゼンテーションのお手本のような安定感です。木の音/古の灯新谷進山橋大二郎のコーナーを見て、楽しい観覧体験を誘う企画力に感心した人も多いのではないでしょうか。なる川かよ西広生手作り工房『寛・美』エイトマンの展示は、自己プロデュースがほんと素晴らしくて、どこまでも展開を追いたくなりますね。きたやま あいの新しい展開も心憎いものがありましたし、そして、加代子&Kフレンズ。チームワークのパワーもさることながら、自分たちが熱中している手工芸のよさで観衆を魅了したい、その真摯さと向上心に打たれました。演出も派手さはないけれどよく吟味されたのだろうなと思いました。

●チームワークで賞
すだち丸の会のコメントに、これを期に結成し、スキルアップを目指し、新たな人生を送ろう、とありました。勇気が伝わってきますよね、制作するということは、いつもスタートラインに立つこととも言えます。石田晴美so-zoクラブクラゲと愉快な仲間達Three tricksのコーナーを見て、どこを誰ががんばったのかな、もめたり悩んだりもあったのかなと想像したり、一人では出せない熱気に感心したりしました。

●世界観で賞
入口すぐのAloneは印象的でしたね。絵が置かれるその場所が一つの自立した世界であることを楽しめたのではないでしょうか。トリマーパパンりょうすけHARUTOThe Oneタケダ ナオユキ、つよく、自分に正直に、さらけだす、堂々とした迫力です。

●テーマで賞
saki paper craftコーナー、サイズは小さくてもひきつけます。おもしろいですよね。melonと好対照。作品から展示テーマを発想し展開するのも、こうした展覧会に参加する楽しさの一つです。水琴鞘Satoru Ohkitaものってましたね。Ca(カルシウム)四国大学写真部千の牡丹、テーマを絞った構成、ていねいで好ましく鑑賞できました。

●つくる喜びで賞
china.の所で、カップを買ったり家で使っている場面を想像するのが幸せでした。実用品や工芸分野の展示方法には、まだまだ可能性があると感心しました。気楽な空気感ながら芯のある展示づくりを支持します。傾向は違いますが、同じようにつくる喜びがずしっと伝わってきた大塚康男villasto(イシムラ.ノブユキ)アヤメ笠野智也上田優のコーナー。モリグチ・トモ益井正樹チョビ蜂蜜檸檬三井均のコーナーではその喜びを見る人にシェアしてもらえるよう工夫した様子が見えて好感を持ちました。

●ミライで賞
の小部屋をお邪魔した時、僕はちょっと未来のミュージアムを思いました。掲示物の形式はマンガでありイラストなのですが、制作ノートや本棚も交えたあの「自室」に滞在している間、作者を通して世界を感じ、その向こうにつながっていきたい願いに心を持っていかれ、時を忘れました。こんな展覧会があるんだと。 詩の表現が2題、受賞しましたね。ミスミアヤカ西園寺リル、いずれのアプローチにも無限の(だからとても大変な)可能性にぞくぞくする思いがします。もっともっとパワフルに大風呂敷をひろげてください。うまいインスタレーションをする美術家はいくらもいるのですから、そうじゃない世界を見てみたいと思うのは、ご本人も私も同じだと信じたい。

以上、印象のみつづってしまったきらいはありますが、勇者のみなさんへ心からの敬意を込めて、筆をおきます。

×

新居 美佐子

文化の森振興センター所長・二十一世紀館長

パフォーマンス部門の講評を申し上げます。

グランプリ K「Chizuru」
ヨガのポーズから発想した新しいスタイルにオリジナリティを感じる。動きを曲にあわせてしまっている点が見られたが、しっかりと安定したポーズに支えられた美しさが強く印象に残った。次は、ヨガの穏やかな時間と動きを生かした、もう少し長い演技を見てみたい。

準グランプリ E「匿名A」
自分の世界観をカラーガードで表現し、その可能性をひらいていこうという強い思いが伝わる。曲にあわせて技を見せるだけではなく、テーマ性やストーリーを取り入れた点にも意欲を感じる。これからも、表現力や構成にさらに磨きをかけた演技を期待したい。

チャレンジ奨励賞 N「劇団まんまる」
まとまりのある良い脚本と、美術館ロビーという会場を生かしたシンプルな演出が深みのある表現を生み出していた。フラットなロビーでは声の強弱や繊細な演技が伝わりにくい面もあったので、次はホールの舞台での上演を見てみたい。

チャレンジ奨励賞 L「NOI」 技術面でまだまだ未熟な点があるが、最後まで諦めずにやりきったことを評価したい。自分のやりたい表現や構成を持っていることが伝わったので、それを実現できるように、これからも励んでほしい。

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森 惠子

公益財団法人 阿波人形浄瑠璃振興会会長

チャレンジとくしま芸術祭2023パフォーマンス部門に参加された皆さん、お疲れ様でした。今年も楽しみながら拝見しました。
受賞された皆様おめでとうございます。今年もコロナ禍での練習やパフォーマンスの組み立てを考えるのは大変だっただろうなと感じました。
昨年コロナ禍の参加できなかった市立高校ダンス部の皆さんが出演され、楽しく拝見しました。
今年は、表現方法がそれぞれ違った演劇パフォーマンス、ヨガをダンスと融合させたChizuru、落語に浄瑠璃を取り入れたふなき家小びん太さん、優しいオールドソングスさん、昨年とはまた違ったyayoさんのダンスととても楽しく拝見しました。
出演された方々が工夫を凝らし、また、新たな表現にチャレンジしていることを感じておりました。
来年も皆様方の新たなチャレンジをお待ちしております。

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カタタチサト

ダンサー・演出家

チャレンジとくしま芸術祭、参加された皆さん、おつかれさまでした!
今年は多くの方が申し込みされたと聞きました。惜しくも出場できなかった皆さん、ぜひ来年もトライしてください!お待ちしています。

今年は、自分の表現の方向性を定めて、作品としてより良いものを構築しようとされている方が多い印象でした。その想いが強く伝わる一方で、リアルであるパフォーマンス自体が技術的に目標に届いていない様子もあり、ここから切磋琢磨、取捨択一などされて、オリジナルのパフォーマンスに仕上がっていくことと思いますので、日々の探究と鍛練をひきつづき期待します。

受賞された皆さん、おめでとうございます!受賞者の皆さんへは、「審査理由」の中に意見を織り込ませていただきましたので割愛させていただいて、今回、受賞には至らなかったものの、成長を続けてチャレンジしてくれている何組かに感想を送りたいと思います。

A シビーズさん。コロナ禍での学生生活は大変でしたね、今日はトップバッターで緊張されたと思いますが、最後の曲では観客にむけてパフォーマンスを発揮できていて好感が持てました。これからも、一人一人が好きなダンスやパフォーマンスでチャレンジを続けていってほしいです。

I 大和撫子さん。全員、一人一人から私を見て!のアピールとエネルギーがあって見応えがありました。なので、短い曲1曲ですまさず、振付や構成も、大人やメディアの既成概念などぶっとばすくらいの勢いで創作していってほしいです!

J yayoさん。今、表現したいテーマ目指して、今、できることを振付・表現でチャレンジされていて良かったです。シーンによって変えている動き方を、もう少しはっきり踊りわけれるようになるといいですね。

G Zone Rayさん。今までいくつかのチャレンジを見せていただきましたが、今までのほとばしる音やテーマが拡散してしまっていたのが、今日は、時間というひとつの共有する中にクロスオーバーしている感じが生まれていて良かったです。

R オールドソングスさん、なんと今年はガラッと変えて、今までは好きな風景についてだったが、心情を歌詞にしたとのチャレンジ。本日ラストのチャレンジパフォーマーで、「希望という名の明かりが灯るから」と聞けたことを嬉しく思います。

最後に
このチャレンジを支えてくれている、徳島県立近代美術館/徳島県立二十一世紀館、徳島県、スタッフの皆さま、ありがとうございました。

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橋本 真味

徳島新聞社事業局 事業部

チャレンジとくしま芸術祭 パフォーマンス部門の舞台に立たれた皆さま、ご発表ありがとうございました。ステージを拝見して、表現することに対する皆さまの情熱や真摯な姿勢が垣間見られたように感じ、心を動かされました。 甚だ簡単な内容で恐縮ですが、お一組ずつ感想を述べさせていただきます。

シビーズ(徳島市立高校ダンス部2年)の皆さん
出場がかなわなかった昨年分まで思いが込められた熱のこもったステージでした。後半にかけての笑顔や、キレのある動きもとても良かったです。これからも目標を持って挑戦を続けていただきたいと思います。

四季の音の皆さん 
オカリナバージョンの「吉野川」、とっても新鮮でした!多様なオカリナの音色とそれにあわせた選曲で、純粋に楽しませていただきました。コロナ禍になって始められた演奏会のエピソードもすてきです。

プロペラのお二人 
対談記事の朗読という斬新さと、なりきったお二人の掛け合い。記事の朗読は単調になりそうな気がしていたのですが、お二人の衣装や雰囲気によって心配無用でした。朗読劇のような再現性と絶妙な間に引かれました。

匿名Aさん
「カラーガードはこういうもの」という固定観念をくつがえすような演技でした。音楽の印象にあった動きや表現、表情、そして衣装からテーマ性が感じられ、「匿名Aワールド」に引き込まれる感覚でした。ご自身が表現なさりたいことを追求されているのだなと感銘を受けました。

Mashikutoの皆さん
お一人お一人の個性が全面に押し出されつつ、音楽がそれぞれを結び付けているという印象を受けました。何より皆さんの楽しそうな表情と雰囲気はまるでお祭りのよう。「音楽は自由だ」と再認識しました。

Zone Rayの皆さん
すごく作り込まれているように感じる音源(?)と、ミックスされたギターやキーボード、ドラムの即興っぽい生演奏。前回のステージもそうでしたが、耳から入って全身にぐわーっと広がっていくノイジーさにヤラれました。居心地良さそうにしているお子ちゃん、かわいかったです。

表現体・エピキュリアンの皆さん
感じたのは、楽曲の持つ世界観やメッセージを伝えたいというエネルギー。かっこいい系の衣装と3人の豊かな表情、動きに心をつかまれました。これからどんな表現をされていくのか、とても楽しみにしています。

大和撫子(徳島市立高校ダンス部1年)の皆さん
扇子を使った振り付けや衣装、息の合ったダンスは輝いて見えました。皆さんの考える「大和撫子」のイメージがよく表現されていたと思います。(ダンス経験者が多いからでしょうか)1年生ながら、しなやかで堂々とした姿が印象的でした。

yayoさん
冬から春へ雪解けを迎えたような、自然なあたたかさや明るさを感じる表現でした。これまでとは違ったアプローチをされているのかなと想像していたら、明るいテーマの創作に挑戦されたとのこと。インタビューに「難しかったです」と答えられたyayoさんの笑顔がすてきでした!

Chizuruさん
ヨガダンスはとっても柔らかな雰囲気で、音楽ともよくマッチしていました。ところどころで見覚えのあるヨガのポーズが登場して、その美しさに興味をそそられました。何より心と体の健やかな感じが印象的。お友達に協力してもらったというエピソードもすてきでした。

NOIさん
ほとんど休みなし、長尺のパフォーマンスお疲れさまでございました。成功したときはもちろん、まるで演出のような失敗も含めて目を離せませんでした。最後までやりきった芯の強さと、応援したくなる親しみやすさはご自身の強みですね。

芸能塾01の皆さん
力強い動きと、風格のある表情はさすがでした。番傘などの小道具使いも楽しく、思いがけずお笑いの要素まであって、エンターテインメント性の高さは抜群。あっというまの10分あまりでした。

劇団まんまるさん
人間、自由意志、心のつながり…短い演劇の中に凝縮されたメッセージを感じるひとときでした。登場人物一人一人の人柄や個性がしっかり感じられて、くすっと面白い要素もあって。ぜひ舞台(ちゃんとした、と言ったら失礼なのですが)で拝見したい、そう強く思いました。

ふなき家小びん太さん
阿波人形浄瑠璃と落語のハイブリッドは斬新ですね。お話しの最後が明るいオチにアレンジされていたのは、お人柄でしょうか。浄瑠璃への熱い思いが伝わってきました。久しぶりに十郎兵衛屋敷へ見に行きたくなりました。

リンダ・カルメンカさん
ご年齢を感じさせない艶やかな雰囲気と華やかな衣装に目を奪われました。3曲踊られた後とは思えない安定した歌声も素晴らしい。短い時間でしたが、カルメンカさんの魅力がつまったリサイタルを見たような満足感でした。

ヘッキーさん
「映画愛」「つかこうへい愛」がビリビリと伝わってくる舞台でした。メリハリのきいた良く通るお声!個人的には「シャキーン」と、くしを取り出して髪型を整えるシーンが好きでした。次回はぜひ別の演劇を見せていただきたいです。

オールドソングスさん
少年時代、子どもの頃の思い出の風景が詰め込まれた歌詞と優しい歌声は、年代の異なる私にもノスタルジーを届けてくれました。前回の哀愁系の曲とは一味違うリズミカルなメロディーが印象に残りました。

以上でございます。
いろいろな出来事や心配なニュースがあふれる中、皆さんのチャレンジ・表現から元気をいただきました。自分を自由に表現すること、誰でも何歳からでも挑戦できること、そして目標に向かうその姿はキラキラしていること―。改めて、大切な気付きももらうことができました。出場された皆さんに、もう一度拍手をおくります。皆さんのチャレンジは他の人たちに連鎖して、きっと誰かの元気や、徳島の芸術・文化の多様性につながることでしょう。今回は出場がかなわなかった皆さんは、ぜひ次回ご披露いただきたいと思います。出場者の皆さん、今日のためにご準備いただいた運営ご担当の皆さまに、改めて感謝申し上げます。またお目にかかれますのを楽しみにしております。

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丸山 貴成

スタジオソル代表

チャレンジとくしま芸術祭2023にご出演のアーティストの皆様、会場で応援してくださったお客様、舞台開催に携わった関係者の方々、本当にありがとうございました。

そして受賞されたアーティストの皆様、おめでとうございます。私自身、今回3回目の芸術祭審査員として参加させて頂きましたが、今年も心を動かされることがたくさんありました。新たなチャレンジやパフォーマンスに感動し、勇気をもらうと同時にあらためて、審査をする難しさを思い知りました。

創作や表現をする者にとって、挑戦することは大きなモチベーションとなります。しかしそれは時に高い壁となり、必ずしも思い通りの結果になるとは限りません。それでも続けていく強い意欲と勇気を、これからも持ち続けてほしいと切に願っています。

それでは最後に、受賞は逃しましたが個人的に心に残った方々の感想を、少しですが添えさせていただきます。

四季の音 さん 温もりのある、やさしい音色がそれぞれの演奏にいかされて心地よかった。オリジナルの曲も聴いてみたいと思った。

プロペラ さん 対談を再現するという珍しい朗読で会話劇のようでもあった。演者お二人の、本作「対談」に対する愛情を感じた。比較的淡々と続くので、登場人物の感情やリアクションをもう少し表現しても面白いのではないかと感じた。

Zone Ray さん 即興的であり且つアバンギャルド。様々な音源が融合し織り成す音楽は、迫力がありどこか心地よく、ラストまで飽きさせない構成とストーリー性を感じた。

大和撫子 さん 演出がおもしろく、メリハリもあり見応えがあった。演者の表情も豊かで表現力が高いと感じた。その分、演技時間が短いのが残念で、もっと観たいと思った。

yayo さん 最初から最後まで見入ってしまった。ストーリー性が高く、後半にかけて迫力のあるパフォーマンスだった。テーマもわかりやすく、表情とマッチしていた。

芸能塾01(zero one) さん シリアスな立ち回りの中にも遊びが鏤められ、老若男女問わず楽しめる演出に仕上げられていた。エンターテイメント性が高く、飽きることなく最後まで惹きつけられた。中でも内藤一典氏の緊迫感のある演技と美しい所作は、特筆すべきものがある。

ヘッキー さん 演技力が抜群。エネルギッシュで、作品への愛情が溢れていた。ぜひ、次はオリジナルの脚本でヘッキーワールドを表現してほしい。

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