はじめに
特別展「スウィンギン・ロンドン50's−60's」を開催します。スクーター、自動車からテレビや家具などのデザイン製品、ファッション、音楽とバラエティに富んだ構成で、世代・趣味を越えて幅広く楽しんでいただける内容です。当館では2001年の「キッズ・サイズ・デザイン展」以来、10年振りのインテリアから製品デザインにまたがる、ライフスタイルにスポットを当てた企画となります。
若者文化が主役となり世界的な注目を集め、スウィングする街と呼ばれたロンドンとその時代を輪切りにして見せることが本展のねらいです。「若者に不可能はなかった」を展覧会のキャッチフレーズとし、新しい文化を生み出したその情熱がすべての世代の皆さんのハートに届く機会となることを願っています。デザイナーによるセミナーやワークショップ、展示会場でエレキギターを聴くロックントーク・ショーなど多彩なイベントに加え、「阿波藍メッセ2011」とのコラボ企画として、穴吹デザインビューティカレッジ学生によるファッション・ショーを展覧会オープニングに行うなど、楽しい企画も目白押しです。




とうとうこの日がやってきてしまいました。展示室でエレキギター! 朝からマーシャル・アンプがでんと展示室にそびえます(ガラスケース内には「観覧用の」マーシャルが)。スピーカーもイギリス製マーティンは裏方さんのこだわりです。レコジャケ展示やガラスケース内のギターやアンプの展示にあまりにもフィット。ああこれが足りていなかったのです本展会場には!
優しい語りと凶暴なギターが、同じハートからあふれてくることに驚いてしまう私は、まさに遅れてきた人間なのですね。春雨さんにこの展覧会のイベントをお願いして本当に良かったと思いました。
デザイン講座第二弾。プロダクトデザイナーの村澤一晃さんをおまねきしての車座セミナー。宮崎椅子製作所、テーブル工房kikiさんのご協力により、村澤さんのデザインを中心にここ徳島の「畑」でとれたすばらしいデザイン製品に囲まれたり座ったりしながらの90分。広くデザイン論、文化論からだんだんに村澤さんのお仕事の核心へと向かっていく流れ。両工房の宮崎さん、木村さんとのかけあいもあり、リアルなのに何だかロマン満喫のトークに魅了されました。作り手も使い手も含め、大きな人間論としてデザインをとらえたい気持ちでいっぱいになりました。従来のデザイン展の型にはまらない本展と、とてもいいコンビネーションだったなと感心している次第です。
ロビーにワークショップ作品が並びました。ちょっとしたスタジオかデザイン学科のプレゼン状態です。いくつかのエンジンレイアウトを実際に参考にしながらスケッチされているため、どれも「乗れそう」な感じに感動してしまいます。そして発想も思い描く走りの姿も、本当にひとりひとり違いが光っています。いやあカーデザイン面白い!
ついに来ました美術館でスーパーカーデザイン!本場イタリアのカロッツェリア(デザインスタジオ)でカーデザインに携わってこられた石井明さんをお迎えしての企画。やさしいお人柄に皆さんすぐ打ち解けて、ドローイングに没頭。放課後居残り組も登場して熱心な力作がそろいました。
ロビーでビデオ上映をはじめました。当日の「THE春夏秋冬」さんの演奏、穴吹デザインビューティカレッジ学生によるショーの全編をご覧いただけます。