[美術館を支える人たち2] ビル・メンテナンス

 近代美術館は、開館してもう七年以上の年月が経っていますが、来館される方たちから、しばしば「美しく保たれていますね」と声をかけていただきます。これはいつも館内を美しく清掃する20名のスタッフのおかげです。美術館における業務は、まず来館される皆さんが使われるロビーやトイレなどの日々の清掃です。雨の日などは汚れがひどいことよりも、滑って怪我をするお客様がないようにと気を遣うそうです。展示室の床などの清掃は、部屋毎に週に一度ずつ曜日を決めて、開館前に行っています。特殊な掃除機を使ってカーペット部分を真空清掃するほかに、大理石部分は、丁寧に清拭します。汚れがひどいときには適宜、清掃に入ります。また、定期的にお客様が使われる部分を徹底的に清掃することも年問の計画に組み込んでいます。たとえば、展示替えの際などには丸一日を費やして、カーペットを洗浄することもあります。美術館の施設は、塵、挨、髪の毛、脂などでどうしても汚れてしまいます。付着した汚れの度合いを見ながらではなく、手まめに、毎日清拭することによって、美しく保たれるのだということです。「お客様が『いつも、きれいにしてくれてありがとう』と言って下さると、嬉しくて、もっときれいにしなくては、という気持ちになりますよ」とのこと。また、汚れた靴を入りロのマットで丁寧に拭って下さっているのも、とてもありがたいそうです。


徳島県立近代美術館ニュース No.24 Jan.1998
1997年12月
徳島県立近代美術館