徳島市出身


  

廣島晃甫「佛国ビルフランス小港」作品画像

晃甫は、次第に日本画壇を代表する作家の一人と見なされるようになり、1931(昭和6)年には、ドイツのベルリンで開催された日本美術展に展覧会委員として出張します。展覧会の仕事を終えてから、1年をかけて妻とヨーロッパ各地を旅行し写生も重ねました。取材をもとにした日本画としては、〈南伊太利(イタリア)ラベロの古寺〉(1932年)などが残されています。日本画の材料や技法の特徴を活かし、洋画的要素も取り入れた風景画です。

また、晃甫はヨーロッパ滞在中、各国の博物館を訪ね、敦煌(とんこう)で発見された中国・唐時代の仏教絵画などを模写しています。彼はヨーロッパで、日本と西洋、東洋の古典を結びつけた絵を描く夢を抱いていたのかも知れません。