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「わたしは謎だ。」 I am an enigma.
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オブジェ 言葉あそび
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写真と並んで、マン・レイの制作の大きな部分を占めているのは、日常的な既製品などを利用したオブジェです。思いがけないものの組み合わせが生み出す、驚きや、おもしろさが際だちます。アイロンの平たい面にたくさんの釘を並べて、プレゼントされても、どうやって使えというのでしょうね。
ユーモラスでナンセンスにも思えるマン・レイの仕掛けは、オブジェのタイトルにも反映しており、ユーモアに富んだネーミングは、思わず笑いを誘うものも少なくありません。プラスティック製のフランス・パンを青く塗って〈パン・パン〉。フランス語では直訳すると「色を塗られたパン」の意味。あるいは、大きなパレットに足をつけてテーブルにした〈パレッターブル(パレット・テーブル)〉。はたまた、掃除に使う「ほうき」をさかさまにして、立てただけの〈フランスのバレエII〉。なぜ「ほうき」がバレエ(ballet)なのでしょう?フランス語では「ほうき」(balai)もバレエと発音するのです。
一種のだじゃれにも似た、この言葉あそび。機知にあふれるパリのエスプリなのか。それとも悪趣味、悪のり、おやじギャグ・・・。マン・レイは、造形的な表現にとどまらず、言葉も表現の武器にしたのです。
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Copyright:徳島県立近代美術館.2005