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「わたしは謎だ。」 I am an enigma.
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絵画、版画、そして再制作
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画家を志してこの世界に飛び込んだマン・レイは、写真やオブジェなどで知られるようになってからも、絵画制作を続けました。また若いころ銅版画の工房で働いていた経歴を活かして版画も多く残しています。版画では過去の作品を再制作する場合もしばしばです。
さて版画に限らず、マン・レイは、自作の作品写真を過去の作品の再制作のために利用したり、何度も同じモチーフで、オブジェを繰り返し制作しています。再制作は彼の制作の重要な部分を占めているのです。再制作といっても、マン・レイの場合、同じものを複製し再生産するのとは違って、様々なヴァリエーションを作り続けるという感じです。オブジェを写真に撮り、それらをまた版画にする、といった場合もあります。同一のモチーフやテーマを用いながら、それを反復し、置き換えていくのです。そうして生まれた作品は、かけがえのないただ一つのオリジナル作品といったものではなく、取り替えや繰り返し再利用することが可能な、いわば誰もが使うことのできる、一種のニュートラルな「もの」とも言えるでしょう。
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Copyright:徳島県立近代美術館.2005