2007年08月30日

 高校ワークショップ第二弾。今日はクレヨン一本勝負。幼稚園の頃から親しんできた画材だけを手に、心に浮かぶ雲のイメージを想い・描いていきます。
 これがなかなか奥深い。最初は手探るように、やがて一人一人エンジンが温もっていきます。静かな集中の中で即興のドローイングが実を結んでいく。その様子は、真っ白な紙から徐々に香りが漂っていくようにも、淡い雲にかくれた光がだんだんと色をあらわしていくようにも思えました。とってもナイーブで澄んだ色彩の饗宴。
 林先生の提案で、9月の文化祭まで校内で展示していただけることになりました。ガランとしたホールに、一気に動きのある空間ができあがりました。窓から外に向かって、外から中に向かって、色の風が舞い上がっていくような具合です。

 一枚一枚の絵の奥に、じっくりとイメージを結晶させていく気持ちがにじんでいる、10人のくもならべ。できあがってみると、なんだか10人で作ったようには思えません。きっと何人前ものがんばりを、発見を、それぞれが見出していった城南高校美術部でした。みんなお疲れさん。次は文化の森で会おう!

名称 2007.08「くもならべ」−城南高校編−
<第22回国民文化祭・とくしま2007美術展 WS 第6弾> 徳島・徳島県立城南高等学校
日時 平成19年8月30日[木] 9:00-16:00
場所 徳島県立城南高等学校(徳島市城南町2丁目2番88号)
参加者 10人
協力 林伸也(徳島県立城南高等学校)
サポートスタッフ 黄瀬 剛、二木奈緒、中村友香、村上由佳乃
イワノブログ: 8月30日-1 8月30日-2
高知での見学記もご一読を: 2005年8月19日

2007年08月23日

 熱い。水槽の底のように静かな中庭が、ふつふつと沸いたあらゆる色の大気と光の粒で燃えるようです。夏色の台風、冬空や星宙の大嵐、小さな木陰の物語もあれば、夢のシャボン玉が、澄んだ音を奏でるジュエリーに見る見る変化していく。どれも1枚1枚の絵の中で起こり、そして友だちのそれと重なり合い引き立て合い起こっていることがらです。
 夢を目覚めて見るように鮮烈なこの絵画を作ったのは、城ノ内高校・中学の美術部のみなさん。その素晴らしく自由で責任感のあるエネルギーです。驚いたといったら失礼でしょうか、とにかく起動力がすごい。朝からの3時間でずんずん「くもならべ」のテーマをわがものとしていきます。それは気持ちのいい仕事ぶりでした。誰も立ちすくむことのない、自分の時間がここにあるという信頼の場を作っている玉田先生すごいと思います。
 そして生徒さんたちのリズムと呼吸しながら、的確に加速度のギアをあんばいしていく岩野さんの指揮はいつもながら感心します。お昼休みも使っての日々の作品講評も力一杯。

 直観的に選んだお気に入りの雲型に、思い思いの雲を描けと、実に雲をつかむような話。どの人も自分の描き方を新しく発明しないことには1日でこの絵を完成するのは無理です。しかも描いて終わりではなく、他者と一緒に空間の中に構成していかねばなりません。一人一人の出来ばえは、刻一刻とふくらんでいく空間の中で試されていく。自分がどれくらいできたかは自分が一番よく分かるのです。でもそこには成功や苦労こそあれ、優劣や正解不正解などで片付くものではない、確実な生の体験があります。掛け替えのないその納得を、一人ぼっちではなく仲間と確かめ合える幸せ。良いプログラム。まっすぐな表現者たちです。
 学校の先生方や一般の皆さんは、これを一部の珍しい「図工好きの子」の楽しみと見るでしょうか。違うと思うのです。ここには、何事であれ丸腰で体験し直していこうと挑む人間の喜びがあります。本当に尊い人生の時間。
 そして彼女らは実は決して丸腰ではない。毎日の制作活動の中で探り取って、勝ち取ってきた「自分の絵」がある。それを本当に軽やかに(本人たちは絶対しんどかったはず)、アレンジしたり壊したり、仲間と刺激し合う中からもう一度生まれてくるもの。
 中学から高校の忙しくて苦しい季節をふんばって、ものを生み出す生きざまの渦中にいる、自分たちのすごさをずっと忘れないでいて欲しいな。そんな憧れを抱いて戻ってきたことです。ホントみんなかっこよかった。

名称 2007.08「くもならべ」−城ノ内高校編−
<第22回国民文化祭・とくしま2007美術展 WS 第5弾> 徳島・徳島県立城ノ内高等学校
日時 平成19年8月23日[木] 9:00-16:00
場所 徳島県立城ノ内高等学校・中学校(徳島市北田宮1丁目9番30号)
参加者 24人(高等学校+中学校)
協力 玉田修平(徳島県立城ノ内高等学校)
サポートスタッフ 黄瀬 剛、池上将暢、二木奈緒、中村友香
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高知での見学記もご一読を: 2005年8月19日

2007年08月22日

 城ノ内高等学校でのワークショップを明日に控えて、岩野さんたちが佐那河内ワークショップの作品を設置しに来て下さいました。4月の東みよし町の作品と2基ならんで壮観です。それぞれの場所で白熱したパノラマ絵画の時間がここで合流。ぜひ見に来て下さい。

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2007年08月11日

 スゴイ絵ができあがりました。目もくらむ青空、もくもく燃える山のミドリに囲まれた佐那河内小学校校舎。いろんな催しや学びの声をしみこませてきたグラウンド。真夏の一瞬に老若男女40人のパワーが凝縮された、まるで動きだすような絵です。
 長い歴史の次なるステージへ、建て替えの計画も聞かれる小学校の校舎をテーマにと提案されたのは大川原せーびんぐネットワークの大岩和久さん。7月初旬に相談にお邪魔した時も、一発で決まりました。すてきすぎるロケーション。

 「思い出を描きこんでいいんです」。岩野さんのゲキが魔法のようにみんなに染みこんで、クレヨンの手がどんどん強くせわしなくなっていく。見ていて僕は泣きそうになりました。これなんです。パノラマ絵画を何度も見てきて改めて気づきました。写生画か自由画か、工夫してるか器用か不器用か、そんなことよりもっともっと前に大切なこと。描きたい、表現したい、そうやって向かっていく気持ち。怒られて集中しているのじゃない、一人一人が本当の開放の中で自分の熱中を見つけ出してる。
 では勝手放題の描きっぱなしなのか? 違います。今日のみんなの素晴らしいノリに岩野さん、スタッフの指導もノリノリでした。力作は近々美術館に展示されます。ぜひ見にきて下さい!

名称 2007.08「みんなで描こう!パノラマ絵画」−佐那河内小学校編−
<第22回国民文化祭・とくしま2007美術展 WS 第4弾> 徳島・佐那河内小学校
日時 平成19年8月11日[土] 9:30-11:30
場所 佐那河内小学校(徳島県名東郡佐那河内村下字中川原21番地2)
参加者 40人+応援見学多数
主催 大川原せーびんぐネットワーク  →募集チラシ
後援 佐那河内村教育委員会
サポートスタッフ 黄瀬 剛、川合啓義、二木奈緒、中村友香、伊東瑞生
記事: 「村民団結し絵制作 佐那河内の60人、学校の風景1枚に」徳島新聞 平成19年8月12日

2007年08月08日

 通崎さんが近代美術館にやってきました! なんとマリンバ演奏のお披露目からスタート♪ 会場が魅惑の音色で満たされ、ため息の一瞬。10月27日の開場式コンサートのメンバー今田香織さん、後藤由里子さんもサポートに来て下さり、大充実のワークショップが盛況に行われました。
 阿南竹炭生産組合の岡川さんが選りすぐって届けて下さった竹炭を、これも入念に通崎さんが音階にふるい分けて準備万全。そして参加者のみんなが自分だけのこだわりのドレミを選んで木琴を作ります。
 耳をよくすませること、自分にどういう風に聞こえるのかよく確かめること。通崎さんに導かれて静かにはりつめた音作りの時間が流れます。木琴の土台もただの台ではありません。岩野さんの案内で、世界で一つの自分だけの楽器に思い思いの絵を描きました。

 「ト・ク・シ・マ」、「○○、○○、○○」 まるで森の小鳥たちがお話をするように、みんなで自分のメロディを掛け合っていきます。だんだん速く、だんだんノって、だんだん即興で。24人の木琴を通崎さんが奏でていくとみんなの目が、リズムをとる背中が変わっていく。手作りの楽器とみんなが、本当に音色を奏でるもの・人へと変わっていく姿はジーンと来ます。誰もが満足の笑顔を抱えてワークショップを終えたことでした。あー参加したかった!(竹内記)

名称 2007.08「通崎睦美と手作り木琴」−竹炭バージョン vol.1−
<第22回国民文化祭・とくしま2007美術展 WS 第3弾> 徳島県立近代美術館ギャラリー
日時 平成19年8月8日[水] 10:00-15:30
場所 徳島県立近代美術館ギャラリー
参加者 24人(付き添い含め27名)
講師 通崎睦美(マリンバ奏者)・岩野勝人
協力 岡川雄洋(阿南竹炭生産組合)、今田香織、後藤由里子
サポートスタッフ 黄瀬 剛、川合啓義、二木奈緒、中村友香、伊東瑞生

2007年08月06日

 文化の森三館棟ロビーで、ワークショップ「パノラマ絵画」の紹介展示が始まりました。40人の合作パワーがつまった実物作品は、はくりょく! 2階エレベーターを降りるとすぐの場所です。ぜひ一度お立ち寄り下さい。近々ボルティス編パノラマ絵画も展示予定です、お楽しみに。