高校ワークショップ第二弾。今日はクレヨン一本勝負。幼稚園の頃から親しんできた画材だけを手に、心に浮かぶ雲のイメージを想い・描いていきます。これがなかなか奥深い。最初は手探るように、やがて一人一人エンジンが温もっていきます。静かな集中の中で即興のドローイングが実を結んでいく。その様子は、真っ白な紙から徐々に香りが漂っていくようにも、淡い雲にかくれた光がだんだんと色をあらわしていくようにも思えました。とってもナイーブで澄んだ色彩の饗宴。
林先生の提案で、9月の文化祭まで校内で展示していただけることになりました。ガランとしたホールに、一気に動きのある空間ができあがりました。窓から外に向かって、外から中に向かって、色の風が舞い上がっていくような具合です。一枚一枚の絵の奥に、じっくりとイメージを結晶させていく気持ちがにじんでいる、10人のくもならべ。できあがってみると、なんだか10人で作ったようには思えません。きっと何人前ものがんばりを、発見を、それぞれが見出していった城南高校美術部でした。みんなお疲れさん。次は文化の森で会おう!

名称 2007.08「くもならべ」−城南高校編−
<第22回国民文化祭・とくしま2007美術展 WS 第6弾> 徳島・徳島県立城南高等学校
日時 平成19年8月30日[木] 9:00-16:00
場所 徳島県立城南高等学校(徳島市城南町2丁目2番88号)
参加者 10人
協力 林伸也(徳島県立城南高等学校)
サポートスタッフ 黄瀬 剛、二木奈緒、中村友香、村上由佳乃
イワノブログ: 8月30日-1 8月30日-2
高知での見学記もご一読を: 2005年8月19日


熱い。水槽の底のように静かな中庭が、ふつふつと沸いたあらゆる色の大気と光の粒で燃えるようです。夏色の台風、冬空や星宙の大嵐、小さな木陰の物語もあれば、夢のシャボン玉が、澄んだ音を奏でるジュエリーに見る見る変化していく。どれも1枚1枚の絵の中で起こり、そして友だちのそれと重なり合い引き立て合い起こっていることがらです。
直観的に選んだお気に入りの雲型に、思い思いの雲を描けと、実に雲をつかむような話。どの人も自分の描き方を新しく発明しないことには1日でこの絵を完成するのは無理です。しかも描いて終わりではなく、他者と一緒に空間の中に構成していかねばなりません。一人一人の出来ばえは、刻一刻とふくらんでいく空間の中で試されていく。自分がどれくらいできたかは自分が一番よく分かるのです。でもそこには成功や苦労こそあれ、優劣や正解不正解などで片付くものではない、確実な生の体験があります。掛け替えのないその納得を、一人ぼっちではなく仲間と確かめ合える幸せ。良いプログラム。まっすぐな表現者たちです。

スゴイ絵ができあがりました。目もくらむ青空、もくもく燃える山のミドリに囲まれた佐那河内小学校校舎。いろんな催しや学びの声をしみこませてきたグラウンド。真夏の一瞬に老若男女40人のパワーが凝縮された、まるで動きだすような絵です。

