3 ネガとポジ

ステンレスの鏡面作品

ネガとポジ

カメラの撮影に使うフィルムは、ネガと呼ばれます。レンズを通して感光される映像は、ネガフィルム上では明暗と色が反転します。そのネガを通して印画紙に露光する時には、明暗は再び逆転し正像がプリントされるという仕組みです。このネガとポジ(正像)の関係になぞらえて、有徳は版の概念を広げます。
 世界を映す鏡は、現実に対してのネガ。しかしその鏡像が作品として見られる時、鏡像はポジとなり人の眼がネガとなる。さらにそこから脳裏に浮かぶイメージは新たなポジであり...という風に、全てはネガとポジの関係性として理解できると考えました。そのような発想からステンレスの鏡面作品が生まれます。