加藤十写真
加藤 十イベントプランナー
Ju Kato

みなさん受賞おめでとうございます。他の皆様もお疲れ様でした。審査員などと言う仰々しいことを仰せつかりまして、採点をさせていただいたんですけど、そういった際よく社交辞令で、「接戦でした」などとよく聞きますが、今回は本当に接戦でした。なかなか伝わらないんですが、賞状があればみなさんにあげたいなというぐらい、非常に接戦な審査でございました。いくつか個人的な意見を述べさせていただきます。

審査の基準としまして、「チャレンジをしているか」、「空間を活用しているか」、「演目構成」の3点を中心に私は審査をさせていただきました。

ちき★ちき さんは、ダンサーとギターとフラメンコのセッションを十分に堪能させていただきました。踊りも演奏の構成もしっかりと見せる構成になっており、また、響く空間でのフラメンコもいいなと思いながら見せていただきました。

久保田 米田 さんは、緩やかなテンポで聞いている人を引き込んでいくような語りと、詩を聴いているだけでその情景が柔らかく想像できる内容に共感を覚えました。「やかん」のことをテーマにされていたのですが、以来私はやかんを見るたびに詩を思い出すという日々を送っております。

BLack Bump さんは、そこそこ年齢差のある、高校生から小学生までの5人のタップダンサーの演目だったんですけど、足技だけではなく、全身での表現の豊かな感じを覚えました。特に生き生きとした表情、表情の豊かさを印象に持って、音と表情があたかもフュージョンしているような衝撃を覚えました。個人的には2曲目の三味線の楽曲のタップが好きでした。

笑門亭田楽 さんは、今はほぼ絶滅している物売りの売り声を多種にわたり演じておられました。何とも味のある声とイントネーション、なかなか最近ライブでは聞けないんですけども、それぞれの売り子の個性を演じ分けておられることに非常に脱帽いたしました。次は何の売り声かなと楽しみに思いながら審査員席で聞かせていただきました。

りとるねばあらんど さんは、かわいい2人組の小学生のタップとボーカル。1曲目の「黒ネコのタンゴ」を聞いたときは、本当にかわいいなあと思いながら、しかしその中にもすごい技術だな、と思いながらみせてもらいました。余談なんですが、演目が終わった後司会者の方が「なにを勉強してるの?」と聞いたとき、「お金の勉強」と答えていたのがすごく印象的で、演目を除いて一番印象に残ったのはそれでした。

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Las Clavellinas Lindas さんは、踊りに対する感情表現が非常に現れていて、身体表現のみならず、後ろからオーラを感じる踊りでした。「セビジャーナス」という曲を最後に踊られたんですけど、これは個人的に嬉しかったです。

ドクターフミコとたると さんは、お客さんに歌詞が見えるように映像を写していたんですけれど、こういう工夫も非常にお客さんにとっては見やすいところと、ウクレレの曲とたるとさんの語りの流れがよどみなく、20曲のレパートリーも時間を感じることなく楽しむことができました。

私が一番惜しいなと思ったのが バトンプレイス徳島 の皆さんです。バトンとダンスの完成度が非常に高く、審査員一同圧巻でした。その完成度であるとか、曲の編成、その物語の完成度がずば抜けて高いと思いました。それを13人のダンサーの方が、こんなに狭い空間をもっと倍ぐらいに感じるような演技が非常に印象的でした。

喜多武術培訓中心 さんは、太極拳と三味線と尺八のコラボでしたが、非常に印象に残っています。

ミス・パレット さんは、私は音楽のジャンルにはそんなに詳しくないんですが、ヒーリングミュージックのような非常に新しい音楽の可能性を感じました。ボーカルの声のよさが耳にさわりの良い非常に入りやすいことと、楽曲のテンポが非常に良くて、耳に入りやすい心地よい演奏だったと思います。個人的なことですが、空間全体の感じの印象としては一番ミスパレットさんが(この空間に)合っているんではないかと思いました。

山星多美江 さんのストーリーテリングなんですけども、物語を覚えて朗読ではなくストーリーを展開するという形なんですけども、朗読よりもいいなと思った点はその物語に集中できることで、山星さんの語りが非常にキャラクターを分けていて、非常に分かりやすく聞く側も容易に想像できて、非常に楽しい物語だなと、その物語に集中することができました。

DC, Flap さんなんですけども、小学生が中心のダンスグループですね。のびのびとしたダンスの中にアクロバティックな構成も入っていて、みんなが一生懸命やっている姿に元気をもらったような感じがします。先生が後ろから「オーッ!」ていうのも印象的でした。

ときめき さんは、大人数でのオカリナとピアノの演奏だったんですけども、非常に迫力がありながらも、旋律もはっきりして聴きやすい音楽で、勝手に体のリズムを取るようなオカリナで、聴き入ってしまいました。

最後になりますが、私はラッキー・クローバーさんに非常に感銘を受けました。非常に良かったです。おめでとうございます。

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