2009年12月25日

座談会「ピカソ de はなそ!特別編」の内容が、『ゼロ・ゴ・ゼロ』新年1月号に紹介されています。ありがとうございます。ぜひご一読を。
 
「これは僕の街ではできない、うらやましい」と言っておられた、山田さんの言葉をいま思い起こしています。デザインというものがコミュニケーションであるなら、そして美術館活動もまたそうであるなら、まずそこに人がいて初めて成立する。集客の仕事に頭を悩ませていると、ついよその土地の手柄やすごい成功例をまねしたくなってしまうけれど、まずここに誰がいるのかそこから出発しなければいけないのだと、あらためて思います。
 
それにしてもこうして素敵な誌面に再構成されて振り返ると、本当に素晴らしいお仕事の数々がスパークした秋だったなと−−。感心していちゃダメよ、さあ次は何をすべきなの?、と『ゼロ・ゴ・ゼロ』さんからのゲキをもらった気持ちです。
 
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2009年11月10日

美術館ロビー(ムーアの前)で川柳の花を咲かせました。コピーライターの新居篤志さんから、コピーづくりを楽しむコツをわかりやすく伝授。誰に伝えるかを決めよう、心を済ましてよく見てみよう、ちっちゃい気づきを大切にメモしよう、上手く言おうとしないで 正直に言ってみよう、伝える相手の 顔を想像しながら・・・なるほどなあ。
 
ロビーで開催したのには意味があります。もちろん「ドラ・マールの肖像」を何度も見にいけるようにです。作品に関する質問コーナーも時間が足りないくらい色々な声が飛びかいました。「伝える」気まんまんの皆さんから発せられるアート取材の目線は真剣そのもの。こういう場がいつも作れたらと大いに刺激をもらいました。
 
川柳、コピー、といった課題を通して、初対面の人たちそれぞれの「アート」がちょっとずつ触れ合った、素敵なひとときでした。
 
>> ピカソ川柳作品をぜひ見る

2009年11月08日

棚瀬伸司さん 人々にアートを近づけるという企画意図からポップアートを想起したとのこと。意外というと失礼ですが正統コンセプトに納得。僕は線描画家としてのピカソと漫画のマッチングばかり面白がっていました。

池上貴文さん 一番難解な作品とご本人がおっしゃられていたのですが、コメントをお聞きしてやっぱり難解(!)でした。元をただしていくと自分の育った風土にたどり着き…というお話し。でもこれ実は「表現」を問う場面ではわかるわかるのお話だなと思いました。

山田正彦さん いちばんたくさん語ってくださいました。もっと聞きたかったので後で質問しました。テーマであるピカソとの接し方を泣きそうなほど切り詰めて挑んでくださったのだなと感激したことです。

中山典科さん(NDC Graphics) ダルちゃん阿波へ行くとのこと。深くないなんて言っておられましたけど、ピカソとダルとの架空の出会いとは、まさに「表現的鑑賞」の直球アンサーです。自分だってモデルになってみたいよなあと、知らない間に僕もピカソファンになっているのです。

木川隆志さん ドラの肖像がここにあると伝えたいそこだけです!と。ドラが好きで好きで激写したマン・レイの写真をモチーフに。ドラを見つめる熱いまなざしにハラハラ引き込まれていく仕掛けですね。

藤本孝明さん 一枚の絵から咲いたたくさんのポスター、花々に集うハチさんになろ!というメッセージ。思いを込めればコミュニケーションなのではなく、みんなの中に動きが生まれることなんだということですよね?

新居篤志さん 座談会の口火を切ったのはコピーライターの新居さん。コミュニケーション・デザインということを考え取り組んだと。プロジェクト全編を通じて、語り方を提案してくださったのです。私たち鑑賞者の語り、そして美術館自身の語りです。
 

聞き応えのあるトークと飛田さん(ゼロ・ゴ・ゼロ編集長)の司会でした。が広報不十分でもっとたくさんの方に聞いていただけたらと、毎日反省の事務局竹内です。「どうしてデザイナーになったのですか!」とお客様から勇猛質問のおかげで、レアな生い立ちトークを聞くこともできました。クリエイターの方々、やっぱり面白いです。すごいです。

2009年11月07日

 展覧会が実現してみて、デザイナーの皆さんの人柄や鑑賞観が作品に大きく反映していることに新鮮な驚きを覚えていました。そして今日、ご本人のコメントを実際に聞いてみると、想像していた以上にピカソやその作品に対して敬虔な態度で取り組まれていたことがひしひしと伝わってきて、二度驚きました。今回のポスター展の成功は、そうしたクリエイターたちの緊張と節度があってこそなのだと思った次第です。
 
 日頃から美術作品や展覧会を伝える仕事の中で、デザイナーと接する機会は数限りなくあったはずなのに、そのようなデザイン行為の心理を果たして理解していたのだろうかと自省しています。お互いの持ち分、使命を自覚していないところにコラボレーションは成立しません。そのことを思い直した座談会でした。

2009年11月03日

座談会「ピカソ de はなそ!特別編」
2009年11月7日[土]

屋外ポスター展「ピカソ de さかそ!」の出品作家を囲んでの座談会です。会場で自作について語り合う予定ですが、中身は未定のお楽しみ。「ポスター展 de はなさかそ!」という集いです。

【開催時間】午後3時から(30分程度)
【開催場所】屋外ポスター展会場(シンボル広場)
【話し手】山田正彦、池上貴文(愛知)、棚瀬伸司(岐阜)、中山典科(NDC Graphics・神奈川)、木川隆志、藤本孝明(徳島)、新居篤志[コピーライター]、竹内利夫[当館学芸員]、司会:飛田久美子[ゼロ・ゴ・ゼロ編集長]
【主催者】徳島県立近代美術館
【参加対象】どなたでも
【参加費用】無料
【申込方法】直接会場へ(申込不要)
【申込先】徳島県立近代美術館(申込不要)
088-668-1088

ワークショップ「ピカソ de はなそ!」
2009年11月8日[日]

「ピカソ de フェスタ2009」関連の催しです。テーマは、「あの人にハガキを送って、ピカソを見に来てもらおう!」。広告コピーライターのアドバイスを受けながら、あなたの目線で「ピカソ川柳」を制作。自分で見たこと、感じたことを、誰かに伝える面白さを体験いただけるワークショップです。参加者全員にポスター展作品ポストカード集をプレゼント。

【開催時間】午後3時から4時30分
【開催場所】徳島県立近代美術館ロビー(2階)
【講師】新居篤志[コピーライター]、竹内利夫[当館学芸員]
【主催者】徳島県立近代美術館
【参加対象】高校生以上
【参加費用】無料
【申込方法】事前に電話で申込(先着20名)
【申込先】徳島県立近代美術館
088-668-1088

※定員まで若干名の余裕があります。