2005年07月23日

低学年チーム 引率メモ  −所蔵展2005-II−


 大人数でも子らと関わる時間を増やせるように、探偵カードで見つけたら講師に伝えるよう指示し、講師も周遊し声掛けした。報告するのはよほど楽しいらしく、おとなしい子も駆け足(!)で1点づつ連絡にくる。なぜか戦友もできている。今回はイントロ的に短く設定したが、ここで対話を増やすプログラムも開発できそう。認知のアプローチや能力にすごい差があるので、これは掘ってくと深い。いずれにせよ子どもたちが話す気になって能動的なのが素敵だ。足で稼がせる効果をあらためて実感。カードのデザインも良し。
たんさく

 絵とにらめっこは見事にすべってしまった。みんな絵とにらめっこしてみる?「いやー!」と一斉にひく…。気持ちになって顔つきする(にらめっこ)を、相方に命じられることで見本を示したつもりだったが、シンプルさに欠けたかも。直観的にマネしたり自然に身振りが出たり、というのはいつも見ていることなので、気持ちをキーワードに絵に近づくことをしてみたかったのだが、ジェスチャーなどを生み出すのも一仕事で、気持ちを読み込むのも一大仕事。複雑すぎた。
 仕方なく自転車乗り、ドラ、とぼくがやってみせてクレーまで歩いたけど、でもなんか絵はよく見ていて、「ちがう」とか「わかった!お客さんを待っている」などと応援してくれるフレンドリーな子も。クレーは門倉さんにやってもらい、不正解のダメ出しを浴びながら、なごやかに話し合っていた。いつものようにワイワイ発言合戦にはならなかったが、不思議な行き来の時間が生まれていた。決して一方通行にはなっていなかったと思う。(もっと1年生向けに絞って計画したら明快で活動的になったかも知れないと反省。気持ちを読んで表現しよう、てこれ難しいよ。)
 クレーの二人は何してるんだろうね? T小の朗読会メンバー3人の方をちらっと見ると、クスっと笑って黙ってる。当ててもらうの待ったかな…。

にらめっこ

 大島哲以・薔薇の物語は真剣に聞いて見ている。頭がぐらぐら動く。小さい子は怖がってお母さんに抱きつく。感想文のほんの一例として示すつもりだったが、続きがどうなるのか、余韻のまま終わってしまうのかと、ブーイングも出た。想像力によって絵が動き出すさまを体験できる楽しい刺激として色々な可能性があり得ると思うが、もし続きを考えさせたり、解釈に取り組ませたり、具体的な活動を目標とするなら、お話の終わり方など工夫は必要なのだろう。いまのところ、絵を楽しむ態度に触れてもらうことを一番大切に考えている。

 川島猛の形探しは意外に盛り上がりなごやかな雰囲気。下手くそなジェスチャーでも迫力で演じると当ててくれたし、何人かの子が、形の名付けやジェスチャーもしてくれた。少年Aくんは二つも実演。観衆の前に立つとすくんでしまった子もいたり、小さな演技をすくいあげてほめてやれなかったり、ぶっつけで取り組ませてしまい反省も多し。つきあってくれたみんなに感謝。
 今回は時間厳守を肝にめいじて(高学年には結局めいわくを掛けてしまったが)、2時にはじまり45分に終えた。でも感想文を書く子たちはいつまでもいつまでも机のまわりにたむろしていた。嬉しいのと同時に、もうちょっと排泄の時間を確保できたら良いバランスだったのだろうなと考えさせられた。 (‘05/7/24 竹内) 。

コメント
●作品と「にらめっこ」なんて、すごうい。「にらめっこ」は、にらめっこするする相手との絶対的な信頼関係がないと真剣勝負の活動は生まれないと思います。真剣勝負のにらめっこ、それは自己を表出することのできる「にらめっこ」なのかもしれない。
 でも、どんな考えも全てそのまま受け入れてくれるスタッフのいる、近美の子ども鑑賞クラブのなかでは、そんな真剣勝負のにらめっこも誕生する予感がします。
 1回の失敗であきらめず、継続的に「にらめっこ」取り入れてほしいな。作品と鑑賞者がつくりだす創造的な活動になりそうでわくわくしてきます。

Comment by どくれんぼう天使 2005年7月29日(金曜日)
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